食卓から暮らしを考える 株式会社ジェイ・ダイニング 林 正人 パティスリー ラ・プラージュ、上木めぐみの子どもにやさしい自然食のある暮らし、野菜ソムリエ慶元まさ美のPrecious-life Style、シェフソムリエみゆきの天使が舞い降りた、海外からの挑戦者サレヴァトーレ・マルコ・マッジョさん、ラ・クッカーニャ、関西元気印料理人今木宏彰、おすすめ料理教室町屋だいどこ姉小路、もったいない侍
関西で活躍する料理人にスポットをあてるこのコーナー。
記念すべき第1回目は、大阪・中之島にお店を構える
イタリア料理店「ラ.クッカーニャ」。
小皿を次々と提供するスタイルで有名なこのお店は、
駅から少し歩かないといけない立地ながらも、連日満員の大人気店。
そのお店を切り盛りするオーナーシェフの今木宏彰氏に
料理人としての思いを伺いました。
修業時代
大阪市立扇町高校卒業後、料理人を志し日本調理師学校に入学。神戸にあった老舗イタリア料理店「ベルゲン」に約2年間、住み込みで修業しました。
その後、様々な料理店で修業を重ね25歳で渡伊。トリノを中心にエミリアロマーニャ州リチョーネ、ウンブリア州グッビオなどの北イタリアを1年半の間渡り歩き、本場での修業を重ねました。
転機は南イタリアとの出逢い
帰国後、名店ピアノピアーノなどで更に腕を磨く日々が続くなかで、料理人今木に大きな転機が訪れる・・・それは南イタリアはシチリア島出身のイタリア人との出会いでした。
繊細でコンサバティヴなイメージの北イタリアと比べ、万事に寛容で開放的(悪く言えば適当)な南イタリアの文化は、彼に更なるイタリアへの興味を沸き立たせていきました。「なんて南イタリアのカルチャーは心地良いんだろう」「もっともっとイタリアを知りたい!感じたい!」と思うようになっていきました。
そんな思いが、強く今木さんをイタリアへさ誘い、南イタリアの地へ旅立っていきました。
ナポリやシチリアを廻り、レストランのシェフはもちろんお菓子屋さんや肉屋さん、さらにはごく普通の家庭のおばちゃん、おじちゃんなどたくさんの人に出会い、そして語らいました。南イタリアでの半年間は、彼にとって料理人生に大きな変化をもたらす半年になりました。何事にも柔軟に心のおもむくままに進み、他者にもそして自分にも寛容な南イタリア人たちが生み出した文化・風土が、彼をイタリア人以上のイタリア人にしたのかもしれません。
自らの理想郷へむかって
帰国後、彼が以前働いていた名店ピアノピアーノの、お馴染み村上シェフがイタリア人と始めたイタリア料理店「パポッキオ」にオープニングスタッフとして入る。その後、自らの判断で資本参加という経営参画の道へとステップアップしていきました。実地で経営の何たるかを学びました。そして、それと同時に今までの北イタリア志向から、南イタリアの文化を探究し、表現していくようになっていきました。
36歳を機に以前からあたためていた自らの理想のお店を大阪・中之島にオープン。その名も「ラ・クッカーニャ」・・・イタリア語で、ズバリ極楽。奮闘や努力の果てにある「癒し」など、言わば心のオアシスを意味する。イタリアには、「クッカーニャ」といわれる祭りが古くから伝わっていて、オリーブオイルをたっぷりと塗った棒の先に料理をぶら下げ、そのヌルヌルした棒を登り切り料理をゲットするゲームのようなものらしいが、そこには、あきらめずに努力を続けた者に訪れる幸せという意味が込められているそうで、なんとも歴史あるヨーロッパらしいお祭りです。
「ラ・クッカーニャ」は、彼と2人の若い男前のスタッフの計3人で切り盛りしています。いつも活気とスマイルが溢れ、情熱で満ちています。それと同時にお客さんもその空気に乗せられて、ノリノリで楽しんでいます。「料理はもちろん、お店そのものも楽しんでほしい」と彼は言います。
彼にはいつも料理を作るときに気をつけていることがあるという。それは、料理をするときは必ず自分はイタリア人になりきるということ。「どんな優秀なレシピもパッションがなかったら、イタリア料理にはならない。ここがイタリア料理のツボであり、重要なところかなって自分では思っています。」
これからのこと・・・
彼は今、南イタリアの中でも特にシチリアにハマっている。「これからもっともっとシチリアについて探究し、シチリア専門店のような、極めてマニアックなお店を目指していきますよ!」と言っていました。
「そして、もっともっといろいろな人と出会い、社会貢献をも視野に入れた活動・・・料理教室なども検討しているんですよ。もうすぐ40歳ですがまだまだ挑戦者です。」
彼には、いま0才と4才のお子さんがいます。食への不安が叫ばれている中、食育ということも他人ごとではない。だから「奥さんと一緒に力を合わせて、自分のファミリー、スタッフ、そして支えてくれている仲間とお客さんとが、みんなハッピーになれるように努力したい」と今後を語ってくれました。
私たちはこれからもそんな彼を見守り、できるかぎり応援していきたいと思っています。
最後に尋ねました・・・
Q:今木さんにとって、今までにお客さんからいただいた一言でもっとも印象に残るコトバは何ですか?
(何の迷いもなく、こう答えてくださいました)
「今日も楽しかったよ。」
(取材) 宮田恭章
[お店情報]
店名 ラ・クッカーニャ
住所 大阪市北区中之島4-3-36 玉江橋ビル1F
HP http://www.cuccagna.jp/

